一度解凍した肉や魚をもう一度冷凍しても大丈夫?安全性と味への影響を解説

冷凍していた肉や魚を解凍したものの、「予定が変わって今日は使わなくなった」「解凍した量が多すぎた」ということはあります。そんなとき、もう一度冷凍庫へ戻してよいのでしょうか。

結論からいうと、冷蔵庫の中で安全に解凍し、その後も低温のまま適切に管理されていた肉や魚なら、再冷凍できる場合があります。ただし、どのような状態でも再冷凍してよいわけではありません。常温で長時間放置したものや、いつから温度が上がっていたのか分からないものは、再冷凍せず廃棄を検討する必要があります。

また、安全に再冷凍できる場合でも、味や食感は低下しやすくなります。家庭では「再冷凍できる場合もあるが、基本は使う分だけ解凍して早めに調理する」と考えるのが安全です。

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一度解凍した肉や魚は再冷凍できる?

厚生労働省は、冷凍食品などを室温で解凍すると食中毒菌が増える場合があるため、冷蔵庫や電子レンジで解凍し、使う分だけ解凍してすぐ調理するよう案内しています。また、冷凍と解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖する場合があるとして注意を促しています。

一方、米国農務省(USDA)は、冷蔵庫内で解凍した食品については、加熱せずに再冷凍しても安全としています。つまり、「一度解凍した」という事実だけで危険になるのではなく、解凍中や解凍後にどのような温度で管理されていたかが重要です。

冷蔵庫で解凍し、その後も低温で管理できていれば再冷凍できる場合があります。一方、常温で長時間放置した食品は、冷凍庫へ戻しても安全な状態には戻りません。

冷凍は細菌をすべて死滅させる方法ではありません。厚生労働省によると、冷凍庫の低温環境では多くの細菌の増殖が止まっても、細菌そのものが死ぬわけではありません。そのため、「少し危ないかもしれないけれど、凍らせ直せば大丈夫」という考え方は避けましょう。

一度解凍した肉や魚を再冷凍できるか、冷蔵庫・電子レンジ・冷水・常温の解凍方法別に判断するフローチャート

まだ中心が凍っている半解凍なら?

完全に解凍していなくても、室温で長く置いたなら安心とはいえません。一方、USDAは停電時の食品安全について、食品に氷の結晶が残っている、または約4.4℃以下に保たれている場合は再冷凍できるとしています。

停電などで冷凍食品が少し緩んだ場合も、「半解凍だから」という見た目だけではなく、温度や放置時間を基準に判断することが重要です。

常温で解凍したものは再冷凍しないほうがよい

肉や魚を早く解凍するため、キッチンの調理台などに置いて自然解凍する人もいるかもしれません。しかし、これは避けたほうがよい方法です。

厚生労働省は、室温で解凍すると食中毒菌が増える場合があるため、冷蔵庫や電子レンジを利用するよう案内しています。USDAも、肉・魚などの傷みやすい食品を冷蔵庫の外に2時間を超えて置いた場合は再冷凍しないよう示しています。気温が約32℃を超える環境では、この目安は1時間です。

時間だけでなく、実際にどの程度温度が上がったかも重要です。「何時間置いたか覚えていない」「触るとぬるくなっていた」「買い物後に長時間持ち歩いた」といった場合は、再冷凍によって保存期間を延ばそうとしないほうが安全です。

なお、この時間は「2時間以内なら常温で解凍してよい」という意味ではありません。肉や魚は、最初から冷蔵庫や電子レンジなど適切な方法で解凍しましょう。

電子レンジや冷水で解凍した場合は?

電子レンジや冷水による解凍は、安全な解凍方法として利用できます。ただし、冷蔵庫で解凍した場合とは、その後の扱いが異なります。

USDAでは、電子レンジで解凍した食品は部分的に温まり、細菌が増殖しやすい温度になる可能性があるため、解凍後はすぐ加熱するよう案内しています。冷水で解凍した食品についても、完全に解凍したらすぐ調理し、再冷凍する場合はいったん加熱してからとしています。

生の肉や魚を電子レンジや冷水で解凍した場合は、そのまま再冷凍せず、いったん加熱しましょう。加熱後は室温に長く放置せず、速やかに冷まして冷凍します。

肉や魚の解凍方法別に、冷蔵庫・常温・電子レンジ・冷水での再冷凍の考え方を比較した図

再冷凍すると味や食感はどうなる?

安全面に問題がなくても、再冷凍すると品質は低下しやすくなります。

肉や魚に含まれる水分は冷凍すると氷になります。解凍すると「ドリップ」と呼ばれる液体が出て、水分などが失われます。さらに再冷凍してもう一度解凍すると、水分が失われる機会が増えるため、最初に解凍したときより食感が悪くなることがあります。

USDAも、冷蔵庫で安全に解凍した食品は再冷凍できるものの、解凍時の水分損失によって品質が低下する可能性があるとしています。

肉ではパサつく、硬く感じる、ジューシーさが減るといった変化が起こりやすく、魚では身が崩れやすくなったり、水っぽさを感じたりすることがあります。刺身のように食感が重要な食品では、特に品質低下が気になりやすいでしょう。

再冷凍する場合は、表面の余分な水分を清潔なキッチンペーパーで軽く取り、ラップなどで密着させて包み、冷凍用保存袋に入れて空気をできるだけ抜いて冷凍すると、乾燥や酸化による品質低下を抑えやすくなります。

また、一度に使う量ごとに薄く平らに包み、できるだけ早く凍らせることも大切です。

家庭用冷凍庫では食品がゆっくり凍ると大きな氷の結晶ができやすく、解凍時のドリップや食感の低下につながります。金属製のトレーにのせたり、冷凍庫の急速冷凍機能を利用したりすると、より速く凍らせることができます。

再冷凍した食品は品質が落ちやすいため、長く保存することを前提にせず、次に解凍したら早めに使い切りましょう。

肉と魚で再冷凍の考え方は違う?

「低温を保って解凍したものなら再冷凍できる場合がある」という基本的な考え方は、肉も魚も同じです。ただし、冷蔵庫で解凍した後に使える期間や、注意すべき食中毒の原因には違いがあります。

USDAによると、冷蔵庫で解凍したひき肉、鶏肉、魚は1~2日以内に使用または再冷凍するのが目安です。一方、牛肉・豚肉・羊肉などのロースト、ステーキ、チョップは3~5日以内とされています。

同じ肉でも一律ではなく、ひき肉や鶏肉は、牛・豚などのステーキやチョップ、ロースト用のかたまり肉より早めに判断する必要があります。いずれも適切に冷蔵していた場合の目安です。

魚の場合は、細菌だけでなくヒスタミン食中毒にも注意が必要です。厚生労働省によると、マグロ、カジキ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジなどでは、不適切な温度管理によってヒスタミンが生成されることがあります。

ヒスタミンはいったん生成されると加熱しても分解されません。冷凍し直しても、すでにできたヒスタミンを取り除くことはできません。そのため、常温に長く置くなど、温度管理に不安のある魚は「加熱するから」「再冷凍するから」と食べず、処分することが大切です。

肉と魚を再冷凍する際の違いを、保存期間や食中毒、ヒスタミンの注意点とともに比較した図

危険な状態の肉や魚を食べるとどうなる?

温度管理が不適切だった肉や魚には、食中毒を引き起こす細菌などが増えている可能性があります。農林水産省によると、食中毒では一般的に下痢、腹痛、発熱、おう吐などの症状が現れ、ときには血便が出ることもあります。

肉では、カンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌などが問題になります。たとえばカンピロバクター食中毒では、下痢、発熱、おう吐、腹痛などが起こり、子どもや高齢者、抵抗力が落ちている人では症状が重くなる場合があります。感染から数週間後に手足や顔面のまひなどが起こる「ギラン・バレー症候群」を発症することもあるとされています。

魚では、前述したヒスタミン食中毒にも注意が必要です。食品安全委員会によると、顔面の紅潮、頭痛、じんましん、発熱など、アレルギーに似た症状が起こることがあります。

また、食品が安全かどうかを見た目や臭いだけで判断するのも危険です。USDAは、食品の安全性を外観や臭いだけで判断できず、安全か確認するために味見をしてはいけないとしています。「臭わないから大丈夫」と考えず、温度管理に不安がある食品は食べないようにしましょう。

食後に下痢やおう吐、腹痛などが現れて食中毒が疑われる場合、農林水産省は水分をしっかり取り、自己判断で薬を飲まず医療機関を受診するよう案内しています。症状が強い場合や、乳幼児、高齢者など重症化しやすい人は特に注意が必要です。

再冷凍するより「最初から小分け」が安心

肉や魚を安全かつおいしく保存するなら、再冷凍を前提にするより、購入後に一食分ずつ小分けして冷凍しておく方法がおすすめです。必要な分だけ解凍できるため、「全部解凍したけれど半分しか使わなかった」という状況を避けられます。

大容量パックを購入した場合も、冷凍する前に一回の調理で使う量に分けておけば便利です。冷凍日を書いておけば、古いものから使いやすくなります。

まとめ

一度解凍した肉や魚でも、冷蔵庫で安全に解凍し、解凍後も低温で適切に管理されていたものであれば、再冷凍できる場合があります。ただし、厚生労働省は冷凍と解凍を繰り返すことに注意を促しており、家庭では必要な分だけ解凍し、早めに調理するのが基本です。

常温で長時間放置したものは再冷凍せず、電子レンジや冷水で解凍したものは、そのまま再冷凍するのではなく一度加熱してから冷凍しましょう。また、安全に再冷凍できても、肉や魚の味や食感は低下しやすくなります。

特に魚では、ヒスタミンのように、いったん生成されると加熱や再冷凍では取り除けない危険要因もあります。

最も確実なのは、肉や魚を購入した段階で一食分ずつ小分けして冷凍することです。必要な量だけ解凍する習慣をつければ、安全性だけでなく味や食感も保ちやすくなります。

引用・参考資料

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