作った麦茶は何日まで飲める?冷蔵保存の目安と衛生的な作り方を解説

夏になると、冷蔵庫に麦茶を常備する家庭も多いでしょう。一度に多めに作れば手間は減りますが、「作ってから何日まで飲めるのか」「煮出しと水出しでは日持ちが違うのか」と気になるところです。

結論からいうと、家庭で作った麦茶に「○日までなら安全」という公的な保存期限はありません。東京都も、家庭で作った飲料をどのくらい保存できるかは一律に定められていないとしています。そのため、作成日や保存状態を考えずに「3日なら必ず大丈夫」などと言い切ることはできません。

家庭で管理しやすい目安として、この記事では、清潔な容器を使って作ったら速やかに冷蔵し、作った当日から翌日までに、できるだけ早く飲み切ることをおすすめします。ただし、これは公的に定められた保存期限ではありません。冷蔵庫から長時間出していた場合や、容器の衛生状態が悪かった場合には、もっと早く状態が悪くなる可能性があります。

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作った麦茶は「冷蔵して短期間で飲み切る」のが基本

東京都は、水出し茶と煮出し茶を37℃、20℃、10℃で保存して一般細菌数を調べた結果、温度が高く、保存時間が長くなるほど一般細菌数が増えることを確認しています。10℃で48時間保存した場合はほとんど増えなかった一方、37℃で48時間保存した場合は、一般細菌数が作成直後の約160万倍に増えました。

麦茶を10℃・20℃・37℃で保存した場合の一般細菌数の増え方を比較した図

ただし、この結果から「冷蔵なら48時間までは必ず安全」と判断することはできません。家庭では作った麦茶を冷蔵し、短期間で飲み切りましょう。

厚生労働省は、家庭の冷蔵庫を10℃以下に維持することを目安としています。また、低温では多くの細菌の増殖がゆっくりになるものの、細菌が死ぬわけではありません。つまり、冷蔵は「いつまでも安全に保存できる方法」ではなく、菌の増殖を抑えながら早めに飲み切るための方法と考えた方がよいでしょう。

麦茶を作った日を忘れやすい家庭では、容器に日付を書いた小さなラベルを貼るのも便利です。何日前に作ったか分からなくなった麦茶は、無理に飲まない方が安全です。

麦茶の衛生面で注意したいポイント

作った麦茶が傷むかどうかは、保存日数だけで決まるわけではありません。水や茶葉だけでなく、手、保存容器、ふた、注ぎ口などを介して微生物が入り込む可能性があります。

東京都は、水出し・煮出しにかかわらず、手や容器をよく洗い、ティーバッグや水を衛生的に取り扱うよう案内しています。保存容器には直接口を付けず、コップなどに注いで飲むことも大切です。

特に避けたいのが「継ぎ足し」です。前日の麦茶が残った容器へ新しい麦茶を加えるより、一度飲み切って容器を洗い、それから新しく作る方が衛生管理をしやすくなります。

容器は本体だけでなく、ふたやパッキン、注ぎ口まで洗いましょう。細い溝などは茶渋や汚れが残りやすいため、分解できるものは製品の説明に従って外して洗います。

また、「変なにおいがしないから大丈夫」とは限りません。農林水産省は、においや色、味では食中毒菌がどの程度いるかを判断できないと注意しています。酸っぱいにおい、濁り、ぬめりなど明らかな異常があれば処分しましょう。ただし、異常が見えないことだけを安全の根拠にはできません。安全かどうかを確かめるために味見をするのも避けてください。

夏と冬では麦茶の日持ちは変わる?

冷蔵庫内で適切に保存できているなら、季節によって「夏は1日、冬なら4日」というように保存目安を大きく変える必要はありません。重要なのは季節そのものより、麦茶が実際に何℃の環境にどのくらい置かれていたかです。

ただし、夏は室温が高くなりやすいため、常温に出している間のリスクは高くなります。前述した東京都の試験でも、保存温度が高いほど一般細菌数が増えやすいことが示されています。作った麦茶を食卓に何時間も置いたり、水筒へ移す前に長時間常温放置したりするのは避けましょう。

麦茶を水筒などに入れて持ち歩く場合は、保冷できる容器を使い、できるだけ低温を保ちましょう。

冬も常温保存を基本にしてよいわけではありません。暖房を使用した室内は冷蔵庫よりかなり温度が高くなります。また、食中毒は夏だけに発生するものではありません。季節を問わず、作った後は冷蔵保存を基本にしましょう。

特に夏場は「冷蔵庫から出したまま忘れていた」という場合に注意が必要です。何時間常温にあったか分からないものや、作った日時自体が分からないものは、もったいなくても処分する方が安全です。

煮出しと水出しではどちらが長持ちする?

麦茶には、ヤカンなどでお湯を沸かして煮出す方法と、水にティーバッグを入れて抽出する水出しがあります。加熱する煮出しの方が日持ちしそうに感じますが、「煮出しなら数日長く保存できる」と考えるのは適切ではありません。

東京都の食品安全FAQでは、水出しであっても煮出しであっても、細菌の増殖に大きな変化はなく、重要なのは容器の衛生管理や作った後の保存方法だとしています。

麦茶の煮出しと水出しの作り方や保存方法を比較した図

煮出しには加熱工程がありますが、その後に常温で長時間冷ましたり、衛生状態のよくない容器へ移したりすると、細菌が増えたり、容器から微生物が付着したりする可能性があります。

煮出した麦茶は長時間室温に放置せず、できるだけ速やかに冷まして冷蔵しましょう。例えば、ヤカンや耐熱容器の取扱方法を確認したうえで、外側を氷水で冷やすなどして、常温に置く時間を短くするとよいでしょう。農林水産省も、加熱した食品は粗熱をできるだけ早く取り、速やかに冷蔵することを勧めています。

水出しの場合は、清潔な容器と飲用に適した水を使い、冷蔵庫内で抽出すると温度管理をしやすくなります。

東京都の試験では、水出し冷茶を37℃で保存した場合、ティーバッグを入れたままの方が、取り出した場合より一般細菌数がさらに増えました。ティーバッグは商品の表示に従った時間で取り出し、その後も冷蔵保存しましょう。

つまり、日持ちだけを理由に水出しを避ける必要はありません。

ウーロン茶や緑茶なら麦茶より長持ちする?

家庭で作る冷茶には、麦茶以外にもウーロン茶、緑茶、ほうじ茶、玄米茶、紅茶、ルイボスティーなどがあります。しかし、茶の種類ごとに「麦茶は2日、ウーロン茶は3日」のような公的な保存期限が決められているわけではありません。

東京都の「水出し冷茶の衛生学的実態調査」では、緑茶、麦茶、烏龍茶、ほうじ茶、玄米茶、ルイボスティー、ジャスミン茶、プアール茶、紅茶などの茶葉を調査しています。茶葉の種類によって検出された微生物の傾向には違いがみられましたが、緑茶・麦茶・烏龍茶について水出し用茶葉とお湯出し用茶葉を比較したところ、細菌数に差はみられませんでした

ただし、この調査は主に茶葉に付着する微生物の実態を調べたものであり、完成したお茶について種類別の「安全に保存できる日数」を決めた研究ではありません。したがって、「ウーロン茶は麦茶より腐りにくい」「紅茶なら長く保存できる」といった判断の根拠にはできません。

家庭で無糖のウーロン茶や緑茶などを作る場合も、麦茶と同じように清潔な容器を使い、冷蔵し、短期間で飲み切るのが基本です。なお、砂糖、果汁、牛乳などを加えた飲料は条件が異なるため、この記事の目安をそのまま当てはめないでください。

麦茶を安全に保存するためのコツ

麦茶を作り置きするときは、次の点を意識すると衛生管理がしやすくなります。

  1. 作る前に手を洗い、容器やふた、パッキンまで清潔にする
  2. 古い麦茶へ新しい麦茶を継ぎ足さない
  3. 水出しは冷蔵庫内で抽出し、ティーバッグは表示に従って取り出す
  4. 煮出した場合は長時間常温で冷まさず、速やかに冷却する
  5. 保存容器へ直接口を付けず、冷蔵庫で保存する
  6. 作った日を確認できるようにし、当日から翌日までを目安に早めに飲み切る

一度に大量に作って何日も保存するより、家族が短期間で飲み切れる量をこまめに作る方が管理しやすくなります。

麦茶を衛生的に保存するための容器の洗浄・継ぎ足し防止・冷蔵保存など5つのポイント

まとめ

家庭で作った麦茶には、「○日までなら必ず安全」という公的な保存期限はありません。東京都の試験では10℃で48時間保存した場合に一般細菌数がほとんど増えなかった一方、高温では大幅に増加したことが確認されています。

そのため、家庭では清潔に作り、速やかに冷蔵したうえで、作った当日から翌日までをひとつの目安に、できるだけ早く飲み切るのがおすすめです。 ただし、これは安全を保証する期限ではなく、常温放置や容器の汚れなどがあれば、より短時間でも状態が悪くなる可能性があります。

煮出しと水出しにも、作った後の細菌の増殖に大きな差があるとはされていません。季節や茶の種類だけで保存期間を延ばすのではなく、「清潔に作る」「冷蔵する」「早めに飲み切る」の3点を基本にしましょう。

引用・参考資料

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