食器を洗ったあと自然乾燥で大丈夫?布巾で拭くべきか、早く乾かす方法も解説

食器を洗ったあと、水切りかごに置いたまま自然乾燥させている人は多いでしょう。一方で、「水滴が残ったままで衛生的に問題はない?」「布巾(ふきん)で拭いたほうが清潔なのでは?」と気になることもあります。

結論からいうと、きちんと洗った食器を清潔な場所で自然乾燥させること自体は問題ありません。内閣府の食品安全委員会も、洗った弁当箱について「清潔な場所にふせて自然乾燥する」方法を案内しています。

ただし、重要なのは「洗ったあとに十分乾かすこと」です。食器同士を重ねたままにしたり、水がたまる向きで置いたりすると乾燥が遅れます。また、布巾を使う場合も、その布巾が清潔で乾いていなければ、せっかく洗った食器を再び汚す原因になりかねません。

この記事では、食器を自然乾燥してもよい理由、乾くまでの時間、布巾で拭く場合の注意点、自然乾燥を早める方法について解説します。

目次

食器を洗ったあと自然乾燥でも大丈夫

食器を自然乾燥するときのポイント。きれいに洗い、清潔な場所で水がたまりにくい向きに置き、風通しを確保して乾いてから収納する

洗浄後の食器は、十分に水を切り、清潔な場所で乾燥させれば、必ず布巾で拭く必要はありません。

食品安全委員会は、お弁当箱の食中毒対策として、洗ったあとは清潔な場所に伏せて自然乾燥するか、清潔な布巾やペーパータオルなどでしっかり拭くよう案内しています。対象は弁当箱ですが、「洗浄後の容器を自然乾燥させる」という方法が公的機関から示されている点は、家庭の食器を扱ううえでも参考になります。

また、厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」でも、器具や容器は洗浄・殺菌後に乾燥させ、衛生的に保管することが求められています。こちらは家庭向けの基準ではありませんが、洗った器具を十分乾かしてから清潔に保管することの重要性が分かります。

自然乾燥そのものより、洗い残しをなくし、清潔な場所で十分に乾かすことが大切です。

なぜ食器をしっかり乾燥させたほうがよい?

食器をしっかり乾燥させたい理由の一つは、細菌の増殖に水分が関係するためです。

広島市の「食中毒の基礎知識(Q&A)」では、細菌が増える要素として「温度・栄養・水分」を挙げ、乾燥が不十分な食器や布巾などでは細菌が増えやすくなると説明しています。

ただし、洗い終わった皿に水滴が付いているだけで直ちに危険になるわけではありません。注意したいのは、食べ物の汚れが残っている、汚れた手で触れる、長く使ったスポンジや布巾から再び汚染される、といった条件が重なることです。

そのため、自然乾燥を選ぶ場合は、「できるだけ早く水を切り、全体を乾かす」「乾いたら清潔な場所へ収納する」と考えるとよいでしょう。

自然乾燥で乾くまでに何時間かかる?

食器が乾くまでの時間について、「○分」「○時間」といった公的な一律の基準は確認できません。乾燥速度は、室温や湿度、風通し、食器の材質や形、食器に残った水の量、置き方などによって大きく変わるためです。

例えば、薄い平皿を立てて置いた場合と、深いコップをほぼ密閉するように伏せた場合では乾き方が違います。保存容器のふたの溝、茶碗やマグカップの高台、プラスチック容器の縁などにも水が残りやすくなります。

食器の素材によっても、水滴の広がり方や乾き方に違いが出ることがあります。ただし、「プラスチックだから必ず乾きにくい」「金属なら必ず早く乾く」と単純に決まるわけではありません。素材だけでなく、食器の表面状態や形、水温、室温、湿度、風通しなども乾燥速度に影響します。

したがって、「2時間たったから収納して大丈夫」と時間だけで判断するより、収納する前に水滴が残っていないかを確認するほうが確実です。

特に梅雨や雨の日など湿度が高いときは、水分が蒸発しにくくなるため乾燥に時間がかかります。冬でも、換気が悪く室内の湿度が高い環境では乾きにくいことがあります。季節だけでなく、その日の湿度や空気の流れも意識しましょう。

布巾やタオルで拭いたほうがよい?

食器を布巾で拭くときのOK・NG例。清潔で乾いた食器用布巾を使い、手拭きや台拭きとの共用、湿った布巾の使用を避ける

急いで食器を片付けたい場合は、布巾で拭いても構いません。ただし、「自然乾燥より布巾のほうが必ず衛生的」とはいえません。

農林水産省は、洗浄後の食器を拭く布巾について、乾燥した清潔なものを使い、使用後は洗ってしっかり乾かすよう案内しています。

大切なのは、清潔で十分に乾いた食器用の布巾を使うことです。手拭きや台拭きとの共用は避け、布巾が湿ってきたら乾いたものに交換しましょう。

一方、急いで収納する必要がなければ、水切りかごで自然乾燥させる方法は手軽です。「必ず拭く」のではなく、状況に応じて自然乾燥と清潔な布巾を使い分ければよいでしょう。

キッチンペーパーで拭くのはアリ?

食器に残った水滴をキッチンペーパーで拭き取る方法もあります。食品安全委員会も、洗った弁当箱を清潔な布巾やペーパータオルなどでしっかり拭く方法を示しています。

使い捨てなので、清潔な状態のものを使いやすいことがメリットです。ただし、毎回すべての食器を拭けば使用量が多くなります。基本は自然乾燥にして、保存容器の溝など乾きにくい場所だけキッチンペーパーで拭く方法なら、無駄を抑えやすいでしょう。

自然乾燥を早くする方法と衛生面のポイント

食器の自然乾燥を早くする6つの方法。食器の間隔を空ける、皿を立てる、容器を傾ける、水滴を落とす、換気する、水切りかごを清潔にする

食器同士の間隔を空ける

皿同士が密着していると、その部分に空気が通らず水分が残りやすくなります。水切りかごへ大量に詰め込まず、可能な範囲で隙間を作りましょう。

平皿は立てて置く

平皿を水平に置くと、表面に水が残りやすくなります。水切りかごの仕切りなどを利用して立てると、水が下へ流れやすく、両面にも空気が触れやすくなります。

コップや容器は水が抜ける向きにする

コップは口を下向きにするだけでなく、空気の通り道を確保することが重要です。平らな場所へぴったり伏せると内部の湿気が逃げにくいため、水切りラックなどを使って少し隙間を作ります。

保存容器や弁当箱も、水がたまらないよう傾けて置くと乾かしやすくなります。ふたと本体は分けて乾燥させましょう。

大きな水滴を先に落とす

洗った直後に軽く傾け、大きな水滴を流してから水切りかごへ置けば、食器に残る水分を減らせます。ただし、食器を強く振ると落として割ったり、周囲へ水を飛ばしたりするため、軽く水を切る程度で十分です。

また、水滴の蒸発速度には水温も影響します。最後のすすぎにぬるま湯を使うと、乾燥を早めるのに役立つ場合があります。ただし、乾燥の速さは室温や湿度、気流、食器の素材などにも左右されます。無理に高温のお湯を使う必要はなく、食器の耐熱表示を確認し、やけどにも注意しましょう。

換気して空気を動かす

湿気がこもる場所では食器も乾きにくくなります。換気扇を回す、窓を開けられる環境なら換気するなどして、湿気を逃がしましょう。

サーキュレーターなどで室内の空気を循環させる方法もあります。ただし、床やごみ箱などの近くから強い風を直接食器へ当てるのではなく、キッチン周辺を清潔にしたうえで空気の流れを作る程度にします。

水切りかごや受け皿も清潔にする

食器だけをきれいにしても、水切りかごや受け皿が汚れていては衛生的とはいえません。

たまった水はこまめに捨て、ぬめりや汚れが残らないよう定期的に洗い、使用後は水気をよく切って十分に乾燥させ、清潔な状態を日頃から保ちましょう。

農林水産省も、食後はシンクなどを含めキッチン全体を清潔に保つよう呼びかけています。

水切りかごの代わりに珪藻土マットや吸水マットを使っている場合も、濡れた状態のまま放置せず、十分に乾かして清潔に保ちましょう。洗濯や水洗いができるかどうかは製品によって異なるため、お手入れは表示や取扱説明書に従ってください。

一晩自然乾燥させても大丈夫?

夕食後に洗った食器を水切りかごへ置き、翌朝片付ける家庭もあるでしょう。一晩自然乾燥させる場合も、置いた時間だけで判断するのではなく、翌朝までに十分乾いているか、汚れや飛沫が付着しにくい場所に置けているかを確認しましょう。

ただし、シンクから汚水が跳ねる場所、生肉や生魚を扱う調理スペースのすぐ近く、ほこりや虫などが触れやすい場所は避けます。また、一晩たってもコップの底や保存容器の溝に水が残っている場合は、そのまま収納せず、さらに乾燥させるか清潔な布巾などで水分を取りましょう。

食器棚へ濡れた食器を収納すると、食器だけでなく棚の中にも湿気を持ち込むことになります。「時間がたったか」ではなく「完全に乾いたか」で判断することが大切です。

まとめ

食器を洗ったあと、清潔な場所で自然乾燥させることは問題ありません。食品安全委員会も、洗った弁当箱について自然乾燥を方法の一つとして案内しています。

大切なのは、十分に洗浄し、水がたまりにくい置き方でしっかり乾燥させることです。乾燥時間に公的な一律基準はないため、何時間という数字だけで判断せず、収納前に水滴が残っていないか確認しましょう。

布巾を使う場合は、乾燥した清潔なものを使用します。急ぐ必要がなければ自然乾燥、乾きにくい部分やすぐ収納したい場合は清潔な布巾やキッチンペーパーを使う、と使い分けるのがおすすめです。

自然乾燥を早くしたいときは、食器同士を離す、皿を立てる、容器を傾ける、換気する、水切りかごに水をためない、といった工夫が有効です。洗った食器だけでなく、布巾や水切りかごも清潔に保ち、食器は十分に乾いてから収納しましょう。

引用・参考資料

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