ソフトコンタクトのケースに水道水はNG?洗浄液との違いと正しい洗い方を解説

ソフトコンタクトのレンズケースを水道水で洗ってよいかと洗浄液との違いを解説するイメージ

ソフトコンタクトレンズを外したあと、レンズケースを水道水ですすいでいる人もいるのではないでしょうか。ケースは毎日レンズとケア液に触れるため、汚れや微生物が残ると、きれいにしたレンズを再び汚染する原因になることがあります。

結論からいうと、今回確認したケア用品の多くは、その製品のケア液でケースを洗う・すすぐ方法を案内しています。一方、水道水での洗浄を認めている製品もあるため、使用しているケア用品の説明書に従うことが基本です。

米国の公衆衛生機関や、医薬品・医療機器などの安全性を管理する行政機関では、ソフトコンタクト用の洗浄・消毒液を使ってケースをこすり洗い・すすぎし、水を使わない方法を案内しています。一方、日本コンタクトレンズ学会が2014年に作成した「コンタクトレンズ診療ガイドライン(第2版)」には、ケース内の液を捨てて流水(水道水)でこすり洗いし、ケースとふたを乾燥させる方法が記載されています。

この記事では、ケースに水道水を使う場合の注意点や、コンタクト用の洗浄・消毒液との違い、正しいケースの洗い方について解説します。

目次

ソフトコンタクトのケースを清潔に保つべき理由

レンズケースは、単にレンズを入れておく容器ではありません。毎日レンズやケア液に触れるため、管理が不十分だとケース内に細菌などが残る可能性があります。

PMDA(医薬品医療機器総合機構)は、汚れたレンズケースなどにもアカントアメーバが存在する場合があり、レンズケースの洗浄・乾燥・定期的な交換が重要だと説明しています。

そのため、レンズだけを丁寧に洗っていても、ケースが汚れていれば十分とはいえません。使用後の液を捨て、ケースを適切に洗浄して十分に乾燥させ、定期的に新品へ交換することが重要です。

ソフトコンタクトのケースは水道水で洗ってもいい?

水道水は飲用できるほど衛生的に管理されていますが、無菌ではありません。水道水にはアカントアメーバなどの微生物が存在する可能性があり、コンタクトレンズを介して角膜に感染すると、強い痛みを伴い、治療が難しいアカントアメーバ角膜炎を起こすことがあります。

米国の公衆衛生機関であるCDC(米国疾病予防管理センター)と、医薬品や医療機器などの安全性を監督するFDA(米国食品医薬品局)は、レンズケースも新しいケア液で洗浄・すすぎし、水を使わない方法を案内しています。

一方、日本眼科学会のサイトに現在も掲載されている、日本コンタクトレンズ学会が2014年に作成した「コンタクトレンズ診療ガイドライン(第2版)」では、ケース内の液を捨てたあと、流水(水道水)でこすり洗いし、ケースとふたの内側を乾燥させる方法が示されています。

このように、レンズケースの洗い方は一律ではありません。実際のケアでは、使用しているケア用品の説明書を優先しましょう。

ケア用品でもケースの洗い方は異なる

実際に国内で販売されているソフトコンタクト用ケア用品を確認しても、レンズケースの洗い方は製品によって異なります。

ケア用品レンズケースの洗い方
コンプリート ダブルモイスト® ↗本剤でよく洗い、自然乾燥
epica(エピカ) ↗エピカでよく洗い、本体とキャップを伏せて自然乾燥
レニュー® フレッシュ/センシティブ/カラー ↗本剤で容器内をこすり洗いしてすすぎ、自然乾燥
ロートCキューブ ソフトワンモイストa ↗
ロートCキューブ ハイドロワン ↗
新しい液ですすぎ、自然乾燥
バイオクレン® ワン ↗本剤または水道水でよく洗い、自然乾燥

今回確認した複数のケア用品では、多くがその製品のケア液を使ってケースを洗う・すすぐ方法を案内している一方、バイオクレン ワンでは本剤だけでなく水道水で洗う方法も示されています。

そのため、「ソフトコンタクトのケースは必ず水道水で洗う」「水道水は絶対に使ってはいけない」と一律に判断するのではなく、使用しているケア用品の説明書に従うことが重要です。

厚生労働省・日本眼科医会はケースについてどう案内している?

厚生労働省はソフトコンタクトレンズ用消毒剤の適正使用について、レンズケースを毎日洗浄して十分に乾燥させ、定期的に新しいケースへ交換するよう案内しています。

ただし、この注意喚起ではケースを「水道水で洗う」「MPSで洗う」といった洗浄方法までは指定していません。

日本眼科医会の一般向け情報も、レンズケースは毎日洗浄してしっかり乾燥させ、3か月以内に新品へ交換するよう案内しています。一方、ソフトコンタクトレンズ本体については、水道水をすすぎに使用できないと明記しています。

したがって、厚生労働省・日本眼科医会の一般向け情報と、日本コンタクトレンズ学会の2014年ガイドラインは分けて考える必要があります。

ソフトコンタクト用の洗浄・消毒液(MPS)でケースを洗う方法

MPS(マルチパーパスソリューション)は、主にソフトコンタクトレンズの洗浄・すすぎ・消毒・保存などを1本で行える多目的タイプのケア液です。CDCもソフトコンタクトで広く使われるケア方法として紹介しています。

基本的な流れは次のとおりです。

  1. 石けんで手を洗い、清潔な布などで十分に乾かす
  2. ケースに残っている古い液をすべて捨てる
  3. 新しいMPSを使ってケースをこすり洗いする
  4. 新しいMPSでケースをすすぐ
  5. 残った液を捨て、清潔なティッシュで水分を除く
  6. ふたを外し、ケースを逆さにして十分に乾燥させる
MPSを使ったソフトコンタクトレンズケースの洗い方を、液を捨てる・こすり洗い・すすぎ・乾燥まで6ステップで示した図

ケースは、水しぶきがかかりにくく、清潔で風通しのよい場所で保管しましょう。

また、過酸化水素タイプの消毒剤は、専用ケースを使って中和する仕組みの製品があります。通常のMPSと同じ感覚で扱わず、必ず付属ケースと説明書に従ってください。中和が不十分な状態でレンズを装用すると、強い刺激や痛み、眼障害の原因になるおそれがあります。

なお、製品の説明書に記載されていない方法で、ケースを自己判断で消毒するのは避けましょう。

ハードコンタクトのケースなら水道水で洗える?

ハードコンタクトレンズは、ソフトコンタクトとはケア方法が異なります。

日本コンタクトレンズ学会が2014年に作成した「コンタクトレンズ診療ガイドライン(第2版)」では、ハードコンタクトのレンズケースについて、保存液を毎回交換し、その都度ケースを水道水でよくすすいで乾燥させる方法が示されています。

ただし、「ハードなら水道水で洗えばよい」と一律には判断できません。レンズやケア用品によって方法が異なるため、実際には使用している製品の説明書と眼科医の指示を優先してください。

ケースにぬめりや汚れがある場合は交換する

ケースを洗っても、ぬめり、変色、汚れ、においなどが残る場合は、無理に使い続けない方がよいでしょう。ケースは消耗品であり、傷や劣化がある場合も交換を検討してください。

ケースにヌメリがある原因や、洗って再使用できるかの判断基準については、「コンタクトケースにヌメリがあるときは使える?原因と掃除・交換の判断基準」で詳しく解説しています。

CDCは、レンズケースを少なくとも3か月ごとに交換するよう案内しています。製品側でより短い交換時期が指定されている場合は、その指示に従いましょう。また、日本コンタクトレンズ学会の2014年のガイドラインでは、消毒剤を新たに開封したタイミングで、古いケースを新しいものへ交換する方法も示されています。

レンズ装用中に目の痛み、強い充血、かすみ、目やに、まぶしさなどが現れた場合は、レンズを外して再装用せず、早めに眼科へ相談してください。

まとめ

CDCやFDAは、新しいMPSなどでケースを洗い、水を使わない方法を案内しています。一方、日本コンタクトレンズ学会が2014年に作成した「コンタクトレンズ診療ガイドライン(第2版)」には、流水(水道水)でケースをこすり洗いして乾燥させる方法が記載されています。

重要なのは、これを「日本では水道水が推奨されている」と一般化しないことです。厚生労働省や日本眼科医会の一般向け情報では、ケースの毎日の洗浄と十分な乾燥が案内されていますが、ケース洗浄に使う液体までは具体的に指定されていません。

ソフトコンタクトレンズ本体には水道水を使用せず、ケースについては使用している製品の説明書に従いましょう。ケースを清潔に保ち、しっかり乾燥させ、定期的に交換することが安全なレンズ使用につながります。

引用・参考資料

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