SNSで他人の物を「自分の物」とウソをつくのは犯罪?高級車やブランド品の写真を投稿した場合は?

SNSで他人の高級車やブランド品を自分の物と偽って投稿した場合の法律問題を示すイメージ

SNSを見ていると、高級車やブランドバッグ、腕時計などを「買いました」「納車されました」と紹介している投稿を見かけることがあります。

では、実際には他人の物なのに、自分が所有しているかのように投稿したら犯罪になるのでしょうか。

結論からいうと、他人の物を「自分の物」とウソをつくだけで、直ちに犯罪になるとは限りません。

ただし、そのウソを本物らしく見せるために他人が撮影した写真を無断転載したり、他人の住宅などへ無断で入って撮影したり、そのウソを信じさせてお金を受け取ったりすれば、別の法律問題が生じる可能性があります。

重要なのは、「所有しているというウソ」と、そのウソのために行った別の行為を分けて考えることです。

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他人の物を「自分の物」とウソをつくだけなら犯罪?

例えば、高級ブランドバッグを持っていない人がSNSで、「100万円のバッグを買いました!」と文章だけで投稿したとします。

このように、自分の所有物について見栄を張ったり、実際とは異なる内容を書いたりしただけで、直ちに犯罪が成立するとは限りません。

「持っていない物を持っているとSNSでウソをつくこと」自体を、一律に処罰する法律があるわけではないためです。

そのため、単なる見栄や自慢として「高級車を買った」「ブランドバッグを持っている」と投稿しただけなら、それだけを理由に刑事責任が生じる場面は一般には考えにくいでしょう。

ただし、「ウソだから何をしても問題ない」という意味ではありません。

ウソを本物らしく見せるために何をしたのか、そのウソによって金銭や財産上の利益を得たのかなどによって、法的な問題は大きく変わります。

なお、犯罪が成立しなくても、民事上の責任が生じる場合はあります。
例えば、写真の無断利用によって著作権を侵害したり、人物の撮影・公開によって法律上保護される人格的利益を侵害したりし、それによって損害が生じた場合には、損害賠償責任が生じる可能性があります。

友人のブランドバッグを借りて「買いました」と投稿した場合

例えば、友人が所有している高級ブランドバッグを許可を得て借り、自分のスマートフォンで撮影したうえで、「ずっと欲しかったバッグを買いました!」とSNSへ投稿したとします。

この場合、問題なく借りたバッグを自分で撮影したのであれば、「自分が買った」という虚偽そのものが直ちに刑事責任につながるとは考えにくいでしょう。

また、自分で撮影した写真なので、少なくとも「他人が撮影した写真を無断転載した」という問題とは分けて考えられます。

一方で、バッグを無断で持ち出した場合や、撮影・投稿しないという約束に反して写真を公開した場合などは別です。

さらに、写真にバッグの持ち主本人などが写っている場合には、肖像に関する人格的利益にも注意が必要です。

最高裁判所は、人にはみだりに自分の容貌などを撮影されない法律上保護される人格的利益があり、無断撮影が不法行為となるかは、撮影された人の社会的地位、活動内容、撮影場所、目的、方法、必要性などを総合的に考慮して判断するとしています。

したがって、「人が写った写真を投稿すれば必ず違法」というわけではありませんが、所有者本人などが明確に写っている場合には配慮が必要です。

ネットで見つけたブランド品の写真を使ったら?

次に、他人がSNSやブログへ投稿したブランドバッグの写真を保存し、「新しいバッグを買いました!」と自分のSNSへ投稿した場合を考えてみましょう。

このケースでは、「自分が買った」というウソよりも、「他人の写真を使ったこと」が重要な問題になります。

著作権法では「写真の著作物」が著作物の例として挙げられており、著作者には複製権や公衆送信権などが認められています。

写真ならすべて必ず著作物になるとまではいえませんが、撮影者の創作性が認められる写真は著作権による保護の対象になります。

文化庁も、インターネットで見つけた画像について、「拾い画は無断利用OK」という考え方は誤解だと説明しています。いわゆる拾い画の多くには権利者がおり、SNSなどで無断利用すると著作権侵害になる可能性があります。

つまり、「ネットに公開されている写真=誰でも自由に使える写真」ではありません。

ブランドの公式サイトの商品写真や、他人のSNSに掲載された高級車・腕時計などの写真を保存し、自分が撮影した写真であるかのように再投稿する場合も注意が必要です。

自分で撮影した写真と、ネット上の他人の写真を無断転載する場合の違いを示したイラスト

※自分で撮影した写真でも、人物の写り込みやプライバシーには注意が必要です。

「拾い画です」と書けば使ってもよい?

「拾い画です」や「画像は○○さんから」などと書けば自由に使える、というわけでもありません。

著作権法32条では、公表された著作物を一定の条件のもとで引用できるとしていますが、「公正な慣行に合致すること」「引用の目的上正当な範囲内であること」などが必要です。

単に「自分がこの商品を買ったように見せたい」という目的で、他人の写真を投稿するケースとは性質が異なります。

出典を書いたことと、写真を利用する権利があることは別の問題として考えましょう。

路上の高級車を撮影して「納車しました」と投稿したら?

公道から見える場所に停まっている他人の高級車を自分のスマートフォンで撮影し、「新しい車が納車されました!」とSNSへ投稿した場合はどうでしょうか。

公道から見える場所にある他人の車を自分で撮影し、「自分の車です」「納車しました」と投稿しただけなら、通常はそのウソだけで直ちに犯罪になるとは限りません。

また、公道などから通常の方法で車を撮影したこと自体も、それだけで直ちに違法になるとは限りません。ただし、人物の写り込みやプライバシー、撮影場所などによっては別の問題が生じる可能性があります。

この場合、車の所有者を装ったことと、撮影・投稿によって別の権利を侵害したかどうかは分けて考える必要があります。

なお、自分自身で撮影した写真であれば、ネット上から他人の写真を持ってきたケースとは異なり、「他人が撮影した写真を無断転載した」という問題とは区別できます。

ただし、自分で撮影した写真なら何を投稿しても問題ないわけではありません。

例えば、車の所有者や通行人の顔がはっきり写っている場合には、肖像に関する問題が生じる可能性があります。

ナンバープレートや住宅、表札などが写っている場合にも注意が必要です。

ナンバープレートが写真に写っただけで直ちに違法になるとはいえませんが、住宅や撮影場所、投稿文など複数の情報を組み合わせることで、特定の人の生活状況などが分かってしまう場合もあります。

他人の車をSNSへ投稿するのであれば、人物やナンバー、住宅など、所有者につながる情報を不用意に公開しない方が安全でしょう。

撮影のために住宅などへ無断で入れば別問題

高級車を道路などから撮影する場合と、写真を撮るために他人の住宅や人が管理する建物などへ勝手に入り込む場合は分けて考える必要があります。

刑法130条では、正当な理由がないのに、人の住居や人が管理する邸宅・建造物などへ侵入する行為を処罰の対象としています。

例えば、「珍しい高級車だから近くで撮影したい」という理由で、他人の住宅や人が管理する建物などへ無断で入り込めば、「自分の車だとウソをついたこと」とは別に、住居侵入等が問題になる可能性があります。

ただし、他人が所有する土地へ立ち入れば、すべて刑法130条の住居侵入等になるというわけではありません。

場所の性質や管理状況、立入り方などによって判断が異なるため、「他人の敷地に入った=必ず住居侵入罪」とは限りません。

高級車やブランド品を自分の資産だと信じさせてお金を得たら?

単なるSNS上の見栄で終わらず、そのウソを利用して相手からお金を得た場合には事情が変わります。

例えば、高級車や高級時計、ブランド品の写真を多数掲載して、

「これだけ資産を持っているので必ず返せます」
「お金に困ることはないので100万円貸してください」

などと伝え、自分には十分な資産があると相手に信じさせて、お金を受け取ったケースです。

刑法246条では、人を欺いて財物を交付させた場合や、その方法によって財産上の不法な利益を得た場合などを詐欺罪として定めています。

そのため、所有していない高級車やブランド品を自分の資産だと偽り、それを信じた相手から金銭を交付させた場合には、詐欺罪などが問題になる可能性があります。

もっとも、高級車の写真を載せ、その後お金を受け取っただけで必ず詐欺罪になるわけではありません。どのようなウソを伝え、相手がそれを信じて金銭を渡したのかなど、具体的な事情によって判断されます。

単なる「お金持ちアピール」と、ウソを利用して財物などを交付させる行為は分けて考える必要があります。

また、高級車や高級時計などを見せて「自分はこれだけ稼いでいる」と信じさせ、投資や副業へ勧誘したり、情報商材を販売したりするケースも考えられます。こうした場合も、単に豪華な生活を装ったことではなく、どのようなウソを使って相手に金銭を支払わせたのかが重要になります。

SNSで所有物についてウソをつく行為から、金銭取得や購入証明の偽造まで法的リスクが高まる流れを示した図

レシートや購入証明まで偽造した場合は?

さらに、「本当に買った証拠です」として、実在する店が発行したように見せかけた偽の領収書や購入証明などを作った場合には、文書偽造等が問題になる可能性があります。

刑法159条では、行使する目的で、権利・義務や事実証明に関する一定の私文書・図画を偽造・変造する行為などを処罰の対象としています。

例えば、実在する店が発行した領収書であるかのように他人名義の文書を作成したり、本物の文書を不正に変更したりした場合には、単なる「買ったというウソ」とは異なる問題が生じます。

ただし、「レシートのような画像を作ったら必ず私文書偽造罪になる」というわけではありません。

誰が作成したものとして表示されているのか、その書類がどのような内容・性質のものなのか、どのような目的で作ったのかなどによって結論は変わります。

そのため、SNS用に画像を加工した場合まで一律に「文書偽造」と断定することはできません。

「所有物を盛る行為」はどこから問題が大きくなる?

ここまでの内容を整理すると、次のようになります。

行為主な法的なポイント
「ブランドバッグを買った」と文章だけでウソをつく通常、それだけで直ちに犯罪とは限らない
許可を得て友人のバッグを借り、自分で撮影して「買った」と投稿所有についてのウソだけで、直ちに犯罪になるとは限らない
公道などから他人の車を自分で撮影して「納車した」と投稿所有についてのウソとは別に、人物や個人につながる情報などに注意
他人が撮影した写真を無断転載著作権侵害になる可能性
住宅や人が管理する建物などへ無断で入り撮影住居侵入等が問題になる可能性
所有物についてのウソを信じさせて金銭を交付させる詐欺罪等が問題になる可能性
実在する店などが作成したように領収書等を偽造・変造文書偽造等が問題になる可能性

まとめ

他人の高級車やブランドバッグなどを「自分の物です」とSNSでウソをついても、単なる見栄や自慢の範囲であれば、それだけで直ちに犯罪になるとは限りません。

一方、他人の写真を無断転載したり、撮影のために住宅などへ無断で入り込んだり、資産についてのウソを信じさせて金銭を得たりすれば、別の法律問題が生じる可能性があります。

「自分の物だというウソ」と、「そのウソを本物らしく見せるために行ったこと」は別の問題です。

SNSへ写真を投稿するときは、写真の権利者だけでなく、写り込んだ人物や住宅などの情報、撮影場所にも注意しましょう。

法律関連記事の注意書き
本記事は、法令や公的機関の情報を参考に作成しており、作成過程の一部で生成AIを補助的に使用しています。
記事の内容は一般的な情報の提供を目的としたものであり、個別の事情によって法律上の判断が異なる場合があります。
具体的なトラブルについては、弁護士や関係する公的機関などへご相談ください。

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