電子と紙の参考書、どっちが習得しやすい?学習効果や使い分けを徹底比較

参考書を購入するとき、「電子書籍と紙の本、どちらを選べば効率よく勉強できるのだろう」と悩む人は少なくありません。

近年はタブレットやスマートフォンが普及し、電子書籍を使って勉強することも身近になっています。一方で、資格試験や受験では「やはり紙の参考書のほうが覚えやすい」という声も根強くあります。

実際の研究では、「電子だから必ず劣る」「紙だから必ず優れている」という単純な結論ではなく、学習内容や使い方によって違いが生まれることが分かっています。

この記事では、電子と紙それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較し、どちらが習得しやすいのかを分かりやすく解説します。


目次

結論:じっくり学ぶなら紙、持ち運びや復習なら電子が便利

最初に結論を述べると、次のようになります。

  • 深く理解したい内容や、書き込みながら覚えたい場合は紙が便利
  • 移動中の復習や大量の本を持ち歩くなら電子が便利
  • 自分の学習方法に合わせて使い分けることが大切

複数の研究をまとめたメタ分析では、紙と電子の理解度には大きな差はないものの、内容によっては紙のほうが読解や理解でやや有利になる可能性が示されています。

そのため、「どちらが絶対に優れているか」ではなく、「どんな勉強をするか」で選ぶことが重要です。


紙の参考書が習得しやすいと言われる理由

全体像を把握しやすい

紙の参考書は、今どこを読んでいるかが感覚的に分かります。

例えば、紙の参考書はページ全体を見渡しやすく、「あの内容は左ページだった」「後半の上のほうに書いてあった」といった位置を手掛かりにして内容を探すこともできます。

このような空間的な手掛かりは、後から内容を思い出す際の助けになる場合があります。


書き込みしやすい

紙なら、マーカーやメモ、付箋などを使い、自分なりに内容を整理しながら学習できます。

マーカーやメモ、付箋を書き込んだ紙の参考書

集中しやすい

スマートフォンやタブレットでは、

  • 通知
  • SNS
  • メール
  • 他のアプリ

など、集中を妨げる要素があります。

紙の参考書なら、こうしたデジタル端末特有の誘惑を避けやすくなります。

勉強だけに集中できる環境を作りやすいのは紙の大きな強みです。


電子参考書が習得しやすい場面

電子参考書の検索・ハイライト・文字サイズ調整・複数冊保存の便利機能を示した図解

持ち運びが圧倒的に楽

資格試験では何冊もの参考書を使うことがあります。

紙では数kgになることもありますが、電子書籍ならタブレット1台に何十冊も保存できます。

通勤・通学中にも気軽に復習できます。

また、電子書籍によっては、マーカーを引いた箇所だけを一覧表示できる機能があります。

マーカー箇所を一覧表示できる電子書籍なら、重要な部分をまとめて復習するときにも便利です。


検索機能が便利

検索機能に対応した電子書籍では、「SUM関数」などと検索すると、その単語がすぐ見つかります。

復習したい箇所をすばやく探せるのは、電子書籍の大きなメリットです。


文字サイズを調整しやすい

年齢を重ねると、小さい文字が読みづらくなることがあります。

対応している電子書籍では、文字サイズや行間などを調整でき、目への負担を減らせます。

※電子書籍の形式やサービスによって、利用できる機能は異なります。固定レイアウト型や画像ベースの電子書籍では、文字サイズを自由に変更できなかったり、検索機能が制限されたりする場合があります。


暗記にはどちらが向いている?

暗記を重視する場合、紙の参考書には自由に書き込みやすく、ページの位置を手掛かりにしやすいというメリットがあります。

理由としては、

  • 余白に自由に書き込める
  • ページ全体を見渡しやすい
  • 前後のページを行き来しやすい

などがあります。

一方で、電子書籍でも

  • ハイライト
  • メモ
  • ブックマーク

などの機能は充実しています。

ハイライトやメモ、ブックマークなど、紙の参考書に近い使い方ができる電子書籍もあります。

結局のところ、どちらを選ぶ場合でも、繰り返し復習したり問題を解いたりすることが重要です。

電子参考書は内容が更新される場合がある

電子参考書には、紙にはないメリットとして「修正版が配信される場合がある」という特徴があります。

参考書では、発売後に誤字や計算ミス、説明の誤りなどが見つかることがあります。

紙の本では、誤りが見つかった場合でも本そのものの内容は更新されないため、出版社が正誤表を公開している場合は自分で確認し、必要に応じて本へ書き込むなどして対応します。

一方、電子参考書では、出版社や電子書籍サービスの対応によっては修正版が配信され、再ダウンロードや自動更新によって修正後の内容を読める場合があります。

もちろん、すべての電子書籍が更新されるわけではなく、対応の有無は出版社やサービスによって異なります。しかし、修正内容を反映しやすいという点は、電子ならではのメリットといえるでしょう。


寝る前の勉強はブルーライトに注意

電子参考書を使う場合、特に気を付けたいのがブルーライトです。

夜の勉強で紙の参考書とタブレットを使い分けるポイントを比較した図解

スマートフォンやタブレットなどの画面から発せられるブルーライトを含む光を夜遅くまで浴びると、メラトニンの分泌や睡眠に影響する可能性があります。

就寝前は画面を見る時間を減らし、明るさを下げたりナイトモードを利用したりするなど、画面の光を抑える工夫をするとよいでしょう。電子ペーパー(E Ink)端末を選択肢にする方法もあります。

もちろん、紙の参考書ならディスプレイから発せられるブルーライトの心配はありません。

夜の勉強が多い人は、この点も参考書選びの判断材料になります。


電子参考書の注意点

便利な電子書籍ですが、注意すべき点もあります。

電子書籍サービスが終了する可能性

電子書籍は、購入後もサービスやアカウントを通じて利用する形式が一般的です。

そのため、

  • サービス終了
  • 配信終了
  • 利用規約の変更

などによって、将来的に読めなくなる可能性がゼロではありません。

将来にわたって必ず利用できるとは限らないため、長期間保存したい専門書では頭に入れておきたいポイントです。


バッテリー切れでは読めない

紙の参考書は充電を必要としません。

しかし電子書籍は、

  • バッテリー切れ
  • 充電忘れ

などで読めなくなることがあります。

試験会場へ向かう途中に最終確認したい場合は注意が必要です。


端末の故障リスク

スマートフォンやタブレットは精密機器です。

落下や水濡れで故障すると、一時的に参考書が読めなくなる可能性があります。

再ダウンロードや複数端末での利用に対応しているかも確認しておきましょう。


書き込み機能は紙ほど自由ではない

ハイライトやメモなどの機能に対応した電子書籍もありますが、

  • 細かな図を書く
  • 矢印を書く
  • ページ全体へ自由に書き込む

などは、紙ほど快適ではありません。

ノート代わりに使いたい人は、紙のほうが扱いやすいでしょう。


紙の参考書にもデメリットはある

紙にも弱点があります。

例えば、

  • 重い
  • 保管場所が必要
  • 検索に時間がかかる
  • 持ち歩きが大変

などです。

特に資格試験などで参考書を複数冊使う場合は、収納スペースにも困ります。

また、引っ越しの際には荷物が増える点もデメリットです。

紙と電子の参考書を比較

紙と電子の参考書を比較した表です。

比較項目紙の参考書電子参考書
ページの見渡し・行き来〇 見渡し・行き来しやすい△ 端末・アプリによる
書き込み◎ 自由にしやすい△ 端末・機能による
持ち運び× 冊数が増えると重くなる◎ 多数の本をまとめやすい
検索△ 索引などから探す〇 対応書籍なら単語検索が便利
文字サイズ× 基本的に変更できない〇 対応書籍なら調整できる
内容の修正△ 本そのものは更新されない〇 修正版が配信される場合がある
充電◎ 不要△ 端末の充電が必要
夜間の利用◎ ディスプレイの光を発しない△ 発光する画面では光に注意
長期利用〇 経年劣化はあるが、サービスに依存しない△ サービス・アカウントに依存する場合がある

◎:特に優れている ○:優れている △:条件による・注意点あり ×:不向き


おすすめの使い分け

迷った場合は、次のような使い方がおすすめです。

紙がおすすめ

  • 通知などを避けて集中したい人
  • 書き込みを多くする人
  • 紙面を行き来しながら勉強したい人

電子がおすすめ

  • 外出先で読む参考書
  • 通勤・通学中の復習
  • 辞書代わり
  • 技術書の検索
  • 何冊も持ち歩きたい人

まとめ

電子と紙の参考書には、それぞれ異なる強みがあります。

深く理解したい場合や、書き込みながら覚えたい場合は紙の参考書が使いやすい一方、複数の研究をまとめたメタ分析では、全体的な理解度に大きな差はないという結果も報告されています。

一方、電子参考書は検索機能や持ち運びやすさに優れており、外出先などでの復習にも便利です。また、電子書籍はサービス終了や配信終了によって将来的に利用できなくなる可能性や、バッテリー切れ・端末故障といったリスクも考慮する必要があります。

紙と電子を組み合わせて学習する方法もあります。自宅では紙でじっくり学び、外出先では電子で復習するといった使い分けをすることで、それぞれの長所を活かすことができます。

どちらか一方だけを選ぶのではなく、学習内容や勉強する場所・時間帯に合わせて使い分けることが、効率よく知識を習得する近道といえるでしょう。


引用元・参考資料

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